専門的なポータルメディアをまとめることで、総合的なポータルメディアを作り、多くの人に利用してもらえるようにと設立されたのが株式会社くふうカンパニーです。
カカクコム時代から専門性のあるポータルメディアを作ろうとし、エンジェル投資家として、「働く株主」として現場に立ち続けているのが穐田誉輝さんです。穐田誉輝さんはどのような思いで、起業を行ってきたのか、詳しく解説します。
サラリーマンは起業の準備期間
元々ベンチャーキャピタルの会社で経験を重ねてきた穐田誉輝さんですが、サラリーマンとして一生を終える気はさらさらなく、どうすれば起業ができるのか、そのことだけを考えてきました。穐田誉輝さんの持論は、「会社はビジネススクール」。ですので、サラリーマンとして働いた2つの会社では、経営者になってから学ぶのでは大変な、失敗する会社の実例、脂質、財務スキルなど色々なことを学びます。一方で、人を動かすことには相当苦労を強いられたようで、マネージメントでは大苦戦し、時には部下に逆ギレをされることもあったようです。
説得するためにとった行動は、自らが率先して仕事を行う事。部下よりもできなければついてこないと、穐田誉輝さんは必死に仕事をこなしていきます。
サラリーマンとして働いていても会社に雇われるという意識がなかったという穐田誉輝さん。その理由として、会社からもらう給料以上の結果を出す、結果の代わりに起業をする上でのエッセンスを学ぶことを心がけていたからです。そして、自分自身で考えて決断を下す、この訓練も行ってきました。経営者になってからこれらのことをやろうにも、1つ1つの決断が会社にとって大きな影響を与えかねず、屋台骨を揺るがしかねない事態に発展します。サラリーマンの場合、社員のこれらの行動はすべて会社が責任を負ってくれるからこそ、思い切った行動がサラリーマンの時にできたというわけです。
ベンチャーキャピタルで働いてきたからこそ分かる事
エンジェル投資家としても知られる穐田誉輝さん、朝食を2回とっただけの人に対して積極的に投資を行い、自らも経営に入るなど、その行動力はずば抜けたものがあります。しかし、ベンチャーキャピタルの会社で良くも悪くも色々な会社を見てきた穐田誉輝さんにとって、お金を集めることが成功につながるわけではないことも知っていました。そのため、投資を行った企業の経営者に対し、「お金を使わず頭を使え」という言葉を与えます。
100万円すら増やせない人が1億あってもどうやって増やせるのか、増やす経験のない人に、大金を増やせといったところで増やせるわけがない、お金を持てば何も考えずに広告、雇用などをやってしまう、回収を目的とした投資をしていないなど、お金を持つことでの功罪を穐田誉輝さんは考えます。
経営者自らがほとんどの業務を行い、必死に考えて価値を作り出さなければならない、そのようなことを穐田誉輝さんは考えており、カカクコム、クックパッド、くふうカンパニーと様々な会社でそのポリシーを胸にけん引してきました。カカクコム時代は、ユーザー対応すら穐田誉輝さんが1人で行っており、「お金を使わず頭を使う」ことの大切さを実感しています。
一般の人にとって、エンジェル投資家の存在は、株式上場によって大きく稼ぎたい人と思っているフシがあります。もちろん投資をした以上、回収を行うのは当然ですが、穐田誉輝さんは、決して上場を急ぐべきではないことを鮮明にしています。
上場のすばらしさ、そして怖さを知っているからこそ、穐田誉輝さんは上場に対して慎重な姿勢を持ち続けます。
起業家がもっと増えてほしいと願う心理
穐田誉輝さんは、日本でももっと多くの起業家が世に出てきてほしいと願う一方、なかなか起業家同士の交流ができていないのではないかと考えています。その理由として、日本の民族性を挙げており、良くも悪くも同調圧力が根強い日本では、突飛なことをすれば叩かれやすいという背景があります。そのため、起業家同士でなかなか交流が進まず、人材のやり取りもなかなかうまくいかないのではないかと考えているようです。
穐田誉輝さんは、お金があるけれど経営者は足りないとも語っており、経営者をいかに育てなければならないか、日本の課題を示します。スタートアップ企業に対する投資が日本では比較的多く行われてきた中、なかなか結果が出ず、利回りにつながらない事情があり、スタートアップの段階で投資をしてもらい、それをきっちりと返すことができる経営者が少ない現状を、穐田誉輝さんは憂いています。
起業家精神は生まれ持ったものであり、先天性のものであるとも語るなど、経営者になるのは大変であり、起業家が増えれば、日本はもっと経済的に発展できるという可能性を持っているのかもしれません。
未来の経営者を探す計画
現在穐田誉輝さんが取締役会長を務める株式会社くふうカンパニーでは、未来の経営者、起業家を目指す人を募集し、事業拡大に備えています。
経営者、起業家としてふさわしいとされた人物が入社した場合、新規事業を立ち上げる、もしくはくふうカンパニーが手掛けている事業のポジションを与え、実際に経営をやってもらうことを考えています。
穐田誉輝さんがサラリーマン時代に行っていたことを、未来の経営者たちにもやってもらいたいというのが狙いとしてあるようです。「会社はビジネススクール」と考えていた穐田誉輝さん、まさにそのビジネススクールのようなことをやろうとしているのが2020年の現状です。
現在グループ起業で重要なポジションに就いている人物は、わずか3か月で取締役となり、スピード感をもって会社経営にあたっています。会社がリスクを負い、チャンスを与えてくれる、まさに穐田誉輝さんが理想とし、サラリーマンゆえのメリットをこの方も実際に体感したようです。
また別のグループ企業のトップの方は、経験がたくさんある人たちなどが多くいる中で、事業展開が行えることの幸運さを語ります。それまで自分自身がトップで、周りにそこまでのブレーンがいなかった中、自分よりも知識も経験も修羅場の回数も多い人たちに囲まれることは、プラスでしかないというわけです。
起業家が増えれば増えるほど、くふうカンパニーにとってはプラスでしかなく、より多くの事業へと挑戦ができます。その仕組みを穐田誉輝さんは作り上げ、会長というポジションで応援を行っています。
まとめ
穐田誉輝さんは、自らの成功体験を、実際に後進の指導、未来ある経営者候補、起業家候補の発掘に力を入れ、くふうカンパニーを総合的なポータルメディアにしようと夢を抱きます。
2019年には奥さんである菊川怜さんとの間に子供が誕生し、順風満帆な生活を送る一方、今後どのような会社にしていくのか、その方針が注目されています。
カカクコムもクックパッドも数年経営に携わり、その後は社外に出て、また新たなビジネスを始めているところです。同じようなことをまたどこかでするのか、それとも、くふうカンパニーをより大きな企業にする、もしくは上場まで頑張るのか、色々な選択肢が出てくることでしょう。
くふうカンパニーには多くの人材がいる一方、まだまだ優秀な経営者候補は少ないようで、令和の時代に入り、いかに経営者候補を見つけ出すか、その手腕が問われそうです。