Webマーケティングをメインに事業展開を行っている株式会社AtOff(アットオフ)代表取締役社長柴垣敏久さんは、「トナラー」という存在に注目しています。例えば、店内がガラガラなラーメン屋さんに入り、あなたが一番端に座ったとすれば、普通はもう一方の端に座るはずです。ガラガラなんですから当然です。にもかかわらず、あなたの隣に座ってくるのが「トナラー」です。なぜこんなことになるのか、Webマーケティングの観点からも柴垣敏久さんはかなり注目しています。
こだわりがトナラーにさせる?
柴垣敏久さんはマーケティングの癖で誰かにリサーチを行い、疑問点を洗い出そうとします。その中でトナラーはなぜ発生するのか、色々な人にインタビューをしていきます。すると、複数の要素が考えられることがわかりました。1つ目はこだわりです。先ほどのラーメン屋さんのたとえでは、一番端に座ったあなたの隣にトナラーが座るケースを紹介しましたが、この場合、そのトナラーの指定席が一番端から2番目だった可能性があります。普段からトナラーの存在を知る人は、そこにトナラーが座るのが確実なので避けようとします。
要するに、その人にとっての指定席の隣にたまたま誰かが座っていただけなのです。では、なぜそこにしか座らないのか、空調の吹き出し口の真下に座席があるとか、水のピッチャーがすぐとれるとか、様々なこだわりがその人にあるからです。そのため、自分のこだわりを守ろうとした結果トナラーになり、相手を困らせる気は毛頭ないのです。
トナラーは他人の事を考えない
柴垣敏久さんはトナラーに一定の理解を示し、決して悪気のある行動ではないことを認識しました。その一方で柴垣敏久さんは、結局他人の思いを理解せず、自分のことで精一杯な人なのではないかと考えます。トナラーになる人には、いずれ席を詰めないといけなくなるから最初から席を詰めておきたいと考える人がいるようです。席を詰めざるを得なくなり、それに対応するのがイライラするから、できるときにやっておきたいというのが言い分です。その考え自体も柴垣敏久さんは理解を示す一方で、トナラーの考えが常に自分を主語とし、他人をほとんど考慮していないことを突き留めます。
トナラーのケースでは、ガラガラな駐車場に車を停めたところ、次にやってきた車が自分の隣に停めるケースがあるようです。これは、普段からそこに停めている、なんとなく停めたなど色々な理由があるらしく、結局他人の事を何1つ考えていないことがわかります。普通の人は、ガラガラなところに車を停めるとして、パラパラと車があれば、密集度が少しでも少ないところを選びます。もちろん、少しでも近いところがいいという感覚はあるにしても、嫌がらせのごとく、隣になろうとはしません。そして、見ず知らずの人間と何の思いもなく距離を近づけるほど、変態性を帯びたものはないでしょう。トナラーはそれを平気でやってしまいます。
トナラーは自分がどのようにみられているか意識しない
柴垣敏久さんは、トナラーが自分がどのように世間から見られているかほとんど意識していないのではないかと解説します。例えば、柴垣敏久さんは電車の中で食べ物を食べる人があまり得意ではなく、自らも絶対にしません。飲み物を飲む場合でもマナー違反ではないかと思いながらも、水分補給の意味合いで飲み、マスクを外すことになるため、急いで飲んですぐにマスクを装着しなおします。世間の目があり、ちゃんとした大人であると思われたいためにそのような行動をとるのです。
トナラーの気質がある人は、高確率で他人からの目を意識をしません。お構いなく食べ物を食べ、グビグビと飲み物を飲み、マスクだって鼻だけ出しても何の問題がないとばかりに堂々としています。周囲の人が、このご時世にマスクをしっかりとつけないのはどういう神経なんだろうかと懐疑的に思っても関係ありません。トナラーとはそういう生き物なのです。
では、トナラーを撃退するにはどうすればいいのかですが、撃退することに何の得があるのかと思い、デメリットが少しでもあれば撃退しようとはせず、別の場所に移動するのがいいと柴垣敏久さんは考えます。トナラーのことでイライラし続けるのも体に悪く、いいことは何もありません。仮に撃退をしようとしてもトナラーの行為は何も法律違反ではなく、言いがかりをつけたところで得は1つもありません。トナラーの行為がマナー違反だったとしても、それを咎められないのです。それならば、さっさと別の場所に移動するのがいいでしょう。
その一方、世の中には怒りっぽい人が少なくありません。マスクをつけてないだけで危害を加える人も中にはいます。散々マスクをつけろと言われても応じず、暴れて人に迷惑をかけることだってあります。トナラーに対しても怒りをあらわにし、暴力行為を働いてしまう人も度々現れます。トナラーは常にリスクを抱えながら生活をしており、どこかでそのような目に遭うかもしれません。自分がその1人にならないよう生きていきましょう。